特集 ボランティアと病院—開かれた病院づくり
トラブルなく,生き生きとした活動を支援するには—ボランティア導入の心得
白方 誠彌
1
1淀川キリスト教病院
pp.168-172
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901444
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はじめに
ボランティア活動は,欧米では古くから普及しており,米国では若い時のボランティア活動によって,社会生活の基礎的訓練を受けるようになっているという.このことは,人間同志が利害関係でなく,共に助け合うことの重要さを認識させ,その中から人間相互におけるコミュニケーションを学ぶ人生の大切な時となるのである.
病院は,このボランティア活動が最も行いやすい場所として取り上げられている.それは,病院には病気になって,肉体的にも精神的にも弱っている人々がおり,その人々は特に他人の援助を必要とするからである.しかし,病院においては,ボランティア活動の受け入れ方,その実施方法・運営には,種々の配慮が必要である.特に日本の病院では,その設立基盤が,国公立病院,公的病院,私的病院と種々雑多であり,特に私的病院は税法上収益事業と位置づけられているので,どうしても一般の人々から利益を追求しているのではないかと見られがちである.従って,私的病院に対してはボランティア活動が入りにくい状況にあるのではないかと思っている.
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