社会技術講座
グループのつくり方—特にリーダーのために
海老沢 義道
1
1日本YMCA同盟国際部
pp.68-72
発行日 1962年10月10日
Published Date 1962/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202679
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「グループのつくり方」を考えるにあたつて,まず注意しなければならないことから申しあげよう.
第一に,そのグループは,だれの必要と要求によつてつくろうとしているか,ということで,会員となる人びとの要求によるものであれば,自然発生的に結成され,その後に,リーダーとしての指導力を考えればよい場合があるし,また,リーダーとなる人が,ある一つの高度の目的をかかげて,まだそこまで意識の高まつていない人びとを集めて,啓蒙からはじめる場合もある.さらに,この二つの場合の両面をもつた,既成のグループに,あたらしい目的と指導性をさしむけて,違つたグループに育てるという場合もある.この既成グループが,正しい指導力の働いていない「寄合世帯」であれば,これもグループづくりの中に入つてくるわけで,以上大別した三つの場合には,それぞれ違つた方法がとられなければならないわけである.リーダーは,自分のつくるグループが,このうちのどれに属するのか,まず分析し,その方法を選ぶ必要がある.
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