特集 男が看護を学ぶこと
男性看護師研究会「侍」の挑戦―3学年合同男子ゼミナールの導入から
大木 清美
1
1小倉南看護専門学校
pp.269-273
発行日 2011年4月25日
Published Date 2011/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101722
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はじめに─「侍」以前の男子学生
本校では,専門学校の特性を生かし,看護師という仕事に直接生かせる教育の実践を目指している。そのため,学生の主体性や人間関係能力の育成に重きを置き,自治会行事はもとより学校行事も学生主体にし,人間関係を学びつつ企画実践できるように支援している。更に,主体的学習姿勢をもとに状況判断能力,問題解決能力を身につける事を目的としたPBL教育を1997(平成9)年度より行っている1)。
しかし近年,ゆとり教育の影響からか学生の人間関係形成過程に顕著な変化が見られるようになった。「自主的に」「主体的に」という言葉を借りた“言いっ放し,やりっ放し”に見える行動や,ディベートの名前を借りた“言い合い”をする姿が多く見られるようになったのである。
このような環境の中では協調性,自発性等は見られにくくなるが,中でも特に孤立化したのが,3学年(定員126名)を合わせても15名前後のマイノリティグループである男子学生であった。その孤立化は講義中以外,どのようなグループ活動においても顕著に現れ,さまざまな影響を生んでいると思われた。
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