連載 看護基礎教育の大学化を考える・1【新連載】
看護師養成の量的検討
松原 定雄
1
1東京都立北多摩看護専門学校
pp.128-132
発行日 2011年2月25日
Published Date 2011/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101681
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「看護基礎教育のあり方に関する懇談会・論点整理」とその波紋
2008(平成20)年7月,厚生労働省医政局長の私的諮問機関「看護基礎教育のあり方に関する懇談会」(座長:田中滋慶応義塾大学大学院教授)は,その「論点整理」で「看護職員の資質・能力,社会一般の高学歴化の観点から,将来的には,看護基礎教育は大学での教育に移行していく必要がある」と看護師養成の大学化を目指すことを宣言した。他方で「大学での養成に一律に限定するのではなく,現行の多様な養成課程を量・質両面から評価し,教育の充実に向けて必要な改善を図る」と大学化一辺倒ではないことも明らかにしている。
その後,これらが具体的に動き出している気配はないのだが,看護系大学が急増している状況もあって,なんとなく「看護師養成は大学化」という雰囲気だけが関係者の間で漂っている。筆者のところへは,「看護専門学校はもうなくなるのですか?」という質問が絶えない。学生募集のために高校生に説明するときも,大学か専門学校かに悩む生徒たちに「これからこうなる」と明確には言い難い状況にあり説明に窮している。また,全国に6000~7000人いると思われる看護専門学校の専任教員のモラールや行く末も心配である。
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