連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・17
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喜吉 紘子
1,2
1カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)大学院博士課程
2UCSF大学病院
pp.836-837
発行日 2010年9月25日
Published Date 2010/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101571
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●【シラバスセレクション】「免疫ゲーム」と「エビデンスに基づいた実践」から
今回は『JNE』7月号のシラバスセレクションに焦点を当てたいと思います。最初は免疫学を学ぶためのアイディア〔The Immunity Game:Conceptual Learning Through Learner Engagement(免疫ゲーム:学習者参加型授業で概念を学ぶ)〕です。免疫は健康のために重要な機能を担うにかかわらず,教える内容は複雑です。「学びとは,学生が積極的に参加し,感情を伴い(Zull,2004),学習活動の利用価値が高く目的がある(Tanner,2007)場合に最も効果的である」(本文より)ことを受けて,筆者のGiddens博士は「免疫ゲーム」を考案しました。このゲームで学生は病原菌がクライントに与える影響について分析します。学生は,MRSAや肺炎球菌などと書かれたカードをもつ「病原菌」役と,「80歳,肺気腫と心不全があり,老人ホームに入居……」などと書かれた「クライアント」の役に分かれます。そして,「病原菌」が「クライアント」を攻撃した際,どのような状況になるのか,クラス全体で考えます。少し子どもっぽいかもしれませんが,学生たちは免疫学の知識を実践に応用できるスキルを学べると高く評価しているそうです。
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