連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・12
金脈を掘り出すように生徒を育む教授法―協働でつくる臨床実習“村”
新福 洋子
1
1イリノイ大学看護学研究科博士課程
pp.352-353
発行日 2010年4月25日
Published Date 2010/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101452
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●【論説】「母鴨的指導法から母鉱脈的指導法へ:深い学習のための臨床教育」から回顧する
今年度1号の『JNE』目次を翻訳させていただいて,とてもおもしろい表現に出合うことができました。「From Mother Duck to Mother Lode」というタイトルです。今までの看護臨床指導において臨床指導者が先頭に立って,生徒が後からついてくるといった体制を,母子の鴨が列を組んで歩く姿に見立てて,“母鴨的指導法”と表現しています。“母鉱脈的指導法”というのは,まるで埋もれている金を発掘するように,生徒の可能性を引き出すような臨床指導をしていこうという概念です。一人の指導者が複数の生徒の臨床指導のすべての責任を担うのではなく,臨床ナースとの協力体制を整え,まるで“村”のような教育環境を作ります。ナースが技術や実践に関わる部分の指導にあたり,臨床指導の教員はナースと生徒の関係性を育むサポートのほか,クリティカルシンキングに重点を置いた思考過程の指導,実践からの概念化といった部分の指導にあたることで,より生徒が達成できるゴールのレベルが上がるといったものです。
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