映評
―『片頭痛 フォーカスメディカ疾患解説アニメーション』―学生自身が意味づけできたとき,初めて“教材”となる─アニメーション学習の薦め
清水 継子
1
1福井医療短期大学成人看護学
pp.1095
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101361
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看護教員にとって,授業案の設計において最も頭を悩ませるのが学びの媒体となる教材の選択です。看護学生にとって教材は,わかりやすく,親しみやすく,身近なものとして捉えられ,学生自身が意味づけできたときに初めて教材となります。また,知識というものは立派な人や偉い人たちがつくり,自分たちは,ただそれを「観客」として眺め「覚える」のでは決してありません。看護学生自身が自らの方法でつくりあげていくものです。残念ながら,生活体験の少ない初学者の看護学生にとって,平面的で文字の羅列である教科書だけでは興味,関心を抱きながら専門的知識を積むことは容易ではありません。看護学生が自ら感じ,考え,知識を発展できるような教材の工夫と教育方法の検討が求められています。看護学生が主体的に,基礎や専門基礎との繋がりを意識でき,かつ看護がイメージできる教材として,このアニメーションは,学びの探究を誘う教材のひとつであると思います。
症状の原因や誘因および治療法までをコンパクトに立体的な映像でわかりやすく解説され,引き込まれるような感じを抱きます。特に,看護学生が理解を困難にしている「解剖学」や「薬理学」などの説明は,立体的な動画により視覚だけではなく,興味を沸き記憶に残りやすくなっています。ただ,看護学生には情報収集力や編集力は十分に身についているとはいえないので,このアニメーションの活用時期や方法の検討も必要です。
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