書評
―『看護学教育評価の基礎と実際 看護実践能力育成の充実に向けて 第2版』―時代を超える普遍性を追求した看護学教育評価論
秋元 典子
1
1岡山大学大学院保健学研究科
pp.1133
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101368
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本書は,初版発行後20年の時を経て改訂されたものである。このことは,不変であろう本質論を説いた初版の内容でさえ再検討せざるを得ないほど看護学教育を取り巻く状況が変化したことを意味していると解釈されるかもしれないが,実はそうではなく,変化したからこそそれを踏まえつつ今一度本質論に立ち戻る必要性がある,との著者からの警鐘であった。
著者が言及する本質論の1つめは,教育内容の精選である。教育評価の根本的考え方は,教育者が学習者に対してこうなって欲しいというねがいを教育目標として掲げ,目標達成を意図した教育活動を行い,その結果学習者が目標を達成したかどうかを見極める,というものである。したがって教育評価を論じることは教育目標を論じることであり,教育目標を論じることは教育内容の精選を論じることにつながる。このことが著者が最初に強調している本質論である。
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