映評
―『うつ病 フォーカスメディカ 疾患解説アニメーション』―学生の理解に寄与するコンパクトなアニメーションの強み
岡田 佳詠
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科精神看護学
pp.922
発行日 2009年10月25日
Published Date 2009/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101320
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昨今うつ病患者は国内外を問わず増加しており,日本ではうつ病の生涯有病率は約7.5%と,国民の13人に1人が生涯にうつ病を発症する可能性があることが指摘されています。また,1998年から続く年間3万人以上の自殺の背景にはうつ病の存在が指摘され,疾患を抱えることでの個人的負担はもとより,社会・経済的にも深刻な問題として認識されてきています。
このような背景のなか,精神看護学に携わる身として,うつ病患者の現状と発症の背景,治療,看護などをどう教授していくかが大きな課題だと考えています。初学者の看護学生が,テキストを読んだり教員から話を聞いたりするだけで,患者さんの体験するさまざま症状,またそれがどう患者さんの生活に影響するかを理解するのは,かなり困難なことです。また,発症要因や抗うつ薬の作用機序も,学生にとっては複雑でなかなか理解しにくい部分です。そこで,それらを払拭する教材が,『うつ病 疾患解説アニメーション』ではないかと思います。
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