連載 誌上講義 国際看護学・11
自分の命を自分で守ること―プライマリヘルスケアを改めて学ぶ
近藤 麻理
1
1岡山大学大学院保健学研究科
pp.1042-1046
発行日 2009年11月25日
Published Date 2009/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101348
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多くの子どもとその家族が,病院の外来に憔悴して座り込んでいます。明日の見えない生活のなかで,借金をして交通費を捻出し,町にある病院までやってきているのです。町の病院には,来る日も来る日も重篤な状態になった子どもが訪れます。ボランティアにより運営されている,治療費が無料の病院もあります。しかし,看護職が「いくら払えるのか?」と無情にも家族に聞き,そのお金に応じた治療をするという病院もあるのです。
皆さんは,以上のような場面を「それは途上国だから仕方のないことだ」と思いますか。本当に現状は変えられないのでしょうか。もしも変えられるとするならば,どうすればいいのでしょうか。今回は,看護活動の現場を短期あるいは長期的視点で,住民一人ひとりが自分の命を自分で守るために,看護職にできること,しなければいけないことを考えていきたいと思います。
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