Scramble Zone
第4次カリキュラム改正に思うこと
岡本 英子
1
1元平和学院看護専門学院
pp.756-758
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101281
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看護界の「2つの島」
私は看護基礎教育に17年間携わってきました。教育では「看護の根幹」として,それを具現化するための道具として看護過程を使い,患者さんを多面的にアセスメントし,患者さんごとに個別性のある看護を行うことを,講義や臨地実習で伝えてきました。しかし,熱心に教育しても,その「看護」がなぜか卒業後にうまく生かされていないことに,常に疑問を感じてきました。
このほど200床未満の中規模病院で,厚生労働省が推奨している「新人看護師臨床実践能力向上推進事業」に携わる機会を得ました。そこで学んだことが2つありました。1つは“教育の場”と“病院という実践現場”は,お互いの存在目的・目標が異なる独立した2つの島のようなもので,両方の島の位置は高低差があり,繋ぐものはないというのが現状であるということ。もう1つは,各病院が独自に実施している“実地教育”が何とかこの2つを結ぶ「橋」の役割を担い,新人看護師にとっても病院にとっても非常に重要な役割を担っていることを学んだことです。
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