第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
論文部門
老年期の患者における疼痛コントロール―温熱刺激による効果
寺田 朗子
1
1淀川区医師会看護専門学校看護専門課程看護学科
pp.708-711
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101271
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はじめに
痛みというものは本人の主観的な経験であることから,他者がその痛みを同じように感じとることは困難といえる。そのことから,自身が感じている痛みと,痛みを他者に理解してもらえないという,2つの苦しみを背負いながら生活していくことになる。今回,右大腿骨頸部内側骨折にて人工骨頭置換術を受けた80歳代の女性を受け持った。術後の回復期にあたるが,慢性の変形性膝関節症もあり,疼痛が出現してリハビリテーションに影響がみられていた。初めは私に気を遣っているようで痛みを訴えていなかったが,実習を重ねていくことで,私に痛みを訴えるようになった。そこでA氏に疼痛があるということを理解し,疼痛の軽減を目的に温熱刺激を活用し,温湿布や足浴を行い,A氏の日常生活動作(以下,ADL)が拡大していく中,膝の痛みは軽減していった。今回使用した方法がA氏にとって効果があり,適切だったのか振り返りたい。
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