Japanese
English
研究と報告
正常ヒト細胞と平面絹の混合培養による三次元様増殖を指標とした温熱刺激の効果
Heat shock-induced three-dimensional-like proliferation of normal human cells mediated by pressed silk.
井上 茂樹
1
,
元田 弘敏
1
,
若竹 雄治
1
,
加納 良男
1
,
平上 二九三
1
Shigeki Inoue
1
,
Hirotoshi Motoda
1
,
Yuji Wakatake
1
,
Yoshio Kano
1
,
Fukumi Hiragami
1
1吉備国際大学大学院保健科学研究科
1Graduate School of Health Science, Kibi International University
キーワード:
正常ヒト細胞
,
三次元様増殖
,
温熱刺激
,
平面絹
Keyword:
正常ヒト細胞
,
三次元様増殖
,
温熱刺激
,
平面絹
pp.791-796
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101312
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要旨:〔目的〕培養細胞に温熱刺激を与え,三次元様に増殖する過程を調べ,細胞レベルで温熱効果を検討することを目的とした.〔対象〕培養細胞はマウス線維芽細胞と正常ヒト線維芽細胞を用い,また細胞が三次元様に増殖するための足場としてハイドロキシアパタイト(HA)と平面絹を用いた.〔方法〕マウス線維芽細胞とHAあるいはヒト線維芽細胞と平面絹を混合培養し,37・40・43・45℃で各10分間の温熱刺激を与え,三次元様増殖の形成過程を10週間観察した.〔結果〕ヒト線維芽細胞と平面絹の実験では,温熱処理後2週間目の三次元様増殖のできかけの割合が,40℃10分間群で非温熱処理群の3.2倍,43℃10分間群では8.6倍の高率となり,それぞれ有意差がみられた(p<0.05).〔結語〕本研究結果は,温熱療法の最適有効量を決定するための基礎となり,温熱療法の効果判定を細胞生物学的に示すための重要な知見になると考えられる.
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