第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
論文部門
【優秀賞】慢性的肺線維症患者への活動耐性拡大に及ぼす影響―対象者に合わせた道具選択
松藤 陽子
1
1国立療養所長島愛生園附属看護学校
pp.704-707
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101270
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はじめに
呼吸困難を抱える患者は,とてつもない不安に日々襲われている。呼吸困難とは「呼吸が苦しい」という主観的な自覚症状である。“呼吸が苦しいということは,呼吸時に苦痛を伴い,呼吸をするのに努力を要するという不自然な感じを自覚することである”と梅村1)が述べているように,人によってさまざまに違ってくる。そのため,いくらSpO2の値がよくても本人が「苦しい,つらい」と言ったら,とても苦しいのだということを理解しておかなくてはならない。
今回受け持たせていただいた患者(以下,A氏)は肺線維症になってからその後肺気腫も患い,肺胞面積がかなり減少しており,常時,ベッド上にて酸素療法を続けている患者であった。そのため,何をするにしても呼吸苦がつきまとってくることから,まず呼吸を安楽に整える援助への取り組みが必要であった。A氏の傍らで,どうしたらもっと安楽に呼吸ができるのか,どうやったら効率よく酸素の取り込みができるのか考えた。酸素飽和度のデータ取りや,酸素流量調整しながら,簡易マスクと経鼻カニューラを使用することで,A氏の活動耐性拡大に,良い影響をあたえることが出来たので,ここで実施し得られた学びについて報告する。
なお,患者様に対して特定できないように,倫理的配慮を行った。
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