特集 社会人入学者のいる教室―より適した教育を目指して
社会人入学者の増加によって変わる専門学校
柴田 淑子
1
1社会保険横浜看護専門学校教務部
pp.104-108
発行日 2009年2月25日
Published Date 2009/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101124
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はじめに
少子化における受験者数の減少は看護専門学校に限らず教育現場における社会的問題である。看護基礎教育においては,大学・短期大学の増設,高学歴志向のなかにあって看護専門学校への志望者数は年々減少傾向にあり,志望してくる学生層のニーズも多様化している。
社会人入学者の増加は少子化に伴う18歳人口の減少と看護大学の増加に無関係ではない。社団法人日本看護協会は「第6次看護職員需給見通し策定に当たっての基本的な考え方に関する意見」において,「女性の労働力率が上昇し就業機会も拡大しているため,多様な職業の選択肢の中から看護職員が選び取られるような魅力ある職業とすることがますます必要である。看護学校等の入学者として,高校新卒者ばかりでなく社会人入学者を増やし,養成数を確保する必要がある」1)と,社会人入学者への対応を示唆する内容を示している。
すでに一般大学においても定員割れは深刻であり,学生数確保のための入試の多様化が検討され,現に行われている。そのような現状のなか,看護系は未だ学生確保に耐えうると評価されており,大学・短期大学の脅威にさらされながら苦悩する既存の専門学校の傍らでは新たな大型看護専門学校が開設しているのも事実である。
看護専門学校の生き残りをかけた学生確保の実態を展望する過程において,避けて通ることのできない社会人入学者について述べる。
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