特集 災害看護論の定着に向けて
3年課程看護専門学校における災害看護教育の確立―4年間の成果とカリキュラム改正へ向けて
田邉 三千世
1
,
杉山 恵子
1
,
池田 智子
1
1神奈川県立よこはま看護専門学校
pp.1099-1104
発行日 2008年12月25日
Published Date 2008/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101078
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「災害看護」に早くから取り組んだわけ
神奈川県は,2003年より「特色ある学校づくり」を目指し,県立の看護専門学校の再編整備を進めてきた。そんななか,本校では,看護の専門性を高めるための科目として,看護学特論として災害看護論を取り入れた(表1)。
当時は阪神淡路大震災やサイクロン被害などの教訓から,社会全体が災害対策への気運や,看護への期待も高まりを見せていた時代であった。そのような社会背景の中で,災害看護に必要な看護技術は,フィジカルアセスメント,救急蘇生,人間関係調整能力,さらには協調性や主体性等,看護の基本的技術と看護師としての姿勢・態度を融合した技術であるととらえた。一見応用技術に見える災害看護であるが,これをあえて看護基礎教育から学ぶことにより,専門的な看護実践能力の基礎づくりになり,高度専門医療に対応できる人材を養成することにつながるのではないかと考えた。
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