特集 授業の関係性を考えるマトリックス
新カリキュラムにおける看護技術教育の実現をめざして―基礎看護学と成人看護学との関連から
田邉 三千世
1
,
池田 智子
1
,
森内 みね子
1
1神奈川県立よこはま看護専門学校
pp.978-987
発行日 2009年11月25日
Published Date 2009/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101335
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はじめに
本校は,定員80名の3年課程の看護専門学校である。2003(平成15)年に県立の看護専門学校の再編整備によって,教育の質にこだわった特色ある学校づくりをスタートさせた。その後はや5年が経過し,これまでの取り組みを立ち止まり評価しなければと思っている矢先,新カリキュラム導入に向けた検討が始まった。もちろん,本校のこれまでの教育のあり方を点検し進化させていくためには,カリキュラム改正が絶好のチャンスとなったわけである。特に本校では,看護専門学校の強みを強化するために,これまでの看護教育を見直し,看護技術教育に力を注いだことは言うまでもない。
ヒューマン・ケアリングの精神を理念としている本校では,新カリキュラムの教育において,看護技術とは「人間」「知」「関係」が融合されて「技」として存在するととらえた。その教授方法は,基礎知識・体験・実習というように段階を追うこととし,さらに,看護技術教育はけっして行動主義的な教育であってはならないと考えた。このようなねがいを込めて,ヒューマン・ケアリングの精神と看護の主要概念を明らかにし,看護学間の授業や実習の関係,さらには科目間の関係について,マトリックス等を作成しながら新カリキュラムの考え方を整理してきた。
そのような取り組みのなかで今回は,看護基礎教育の基盤となる基礎看護学から看護技術の中核となる成人看護学の関係において,看護技術教育をどのようにつなげてきたのか紹介する。
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