特別記事
米国の上級看護実践教育の動向
大西 麻未
1
,
真下 綾子
2
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野
2東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野博士後期課程
pp.530-533
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100942
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近年,日本でも看護系大学院の新設や専門看護師・認定看護師の増加など,高齢化や疾病構造の変化に伴う看護への社会的ニーズや,看護師のキャリア発達のニーズに対応しようとする動きが急速に進んでいる。米国においては,上級実践看護師(advanced practice nurse ; APN)として,ナース・プラクティショナー(nurse practitioner ; NP)やクリニカル・ナース・スペシャリスト(clinical nurse specialist ; CNS)が19世紀半ば頃から活躍している。そこでわれわれは,日本における上級実践看護の教育と活用の展望についての示唆を得るため,2006(平成18)年9月に,ワシントン大学メディカルセンターおよびワシントン大学看護学部を訪問し,APN教育の実際について聴取した。
ワシントン大学メディカルセンターでは,15名程度のCNSと,60~70名のNPが勤務していた。米国では,CNSは主にコンサルテーションなどを通して病棟の看護に関わったり,教育師長に相当するポジションについていることが多く,NPは看護部には所属せずに,外来で医師と協働しながらプライマリーケアに携わっている。そして,これらAPNの教育は博士課程への移行が予定されていた。
本稿では,この訪問で得られた情報に,Webサイトからの情報などを追加して,米国のAPN教育の動向について報告する。
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