特集 相補・代替医療へのニーズにどう対応するか
欧米における相補・代替医療の動向
欧米における相補・代替医療の動向 米国における相補・代替医療の動向
蒲原 聖可
1,2
,
川西 慶一
2
,
中野 優
2
Seika Kamohara
1,2
,
Yoshikazu Kawanishi
2
,
Masaru Nakano
2
1DHC研究顧問
2東京医科大学病院総合健診センター
pp.390-393
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100815
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近年,米国では「相補・代替医療(CAM : Complementary and Alternative Medicine)」が,一般消費者のみならず医師・医療従事者の間でも広く認知されるようになった.2003年に行われた米国病院協会の調査によると,26.7%の病院がなんらかの代替医療を提供しているという.現在,米国では「相補・代替医療」から「統合医療」への流れが加速しつつある.本稿では,米国における相補・代替医療および統合医療の現状について,米国病院協会の調査結果を中心に概説する.
■代替医療外来受診者の急増
米国における代替医療(以下,CAM) の利用状況に関する調査として,1990年および1997年に行われた Eisenberg らによる報告がよく知られている1).それによると,1990年の時点で各種の CAM のうち少なくとも一つを利用していた人の割合は33.8%であり,6,000万人に相当する.それが1997年には42.1%,8,300万人に達し,1990年時点から38.3%も増加した.
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