トピックス
米国ホームヘルスの新動向
前田 信雄
1
Nobuo MAEDA
1
1札幌医科大学
pp.834-837
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207831
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
◆はじめに
1988年8月末の1週間,米国ミシガン大学社会福祉学部において,老人長期ケアの実地研修を行った,社会福祉学部の秋山弘子助教授とミシガン大学ターナークリニックのルース・キャンベル女史のコーディネーションによって,講義と実際訪問をすることができた.このなかで学んだホームヘルスの現状と今後の方向を述べてみたい.
ホームヘルスは,ホームナーシングつまり訪問看護よりも広い概念である.看護と医療とを主軸にするが,長期慢性患者の場合,どうしてもそれらが効を奏するためには,介護はじめ家事援助など,生活そのものの援助が不可欠である.たとえば,食事,排泄,入浴,清拭などの援助が求められる.リハビリテーション従事者からの指導もほしいし,医師の診断,相談,指示も大切である.と同時に,ホームヘルパーもしくはハウスキーパーあるいはホームヘルス補助者による上述の援助が基盤となって,在宅ケアが長期にわたって継続可能となる.ホームヘルスは,患者の医療,看護,機能回復訓練,機能維持そして日常生活の確保あるいは介護者の指導と援助といった,より包括的な総合的な方向に歩みだしている.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.