資料解説 第97回看護師国家試験
今年の出題傾向と今後の学習に向けて―「難しい」良問が増加,臨地実習では細やかな知識を
臼井 陽子
1
1成田赤十字看護専門学校
pp.520-523
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100939
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はじめに
第97回看護師国家試験(以下,国試)は2008年2月24日に実施された。3月26日の発表によれば合格率は90.3%であり,昨年の90.6%とほぼ同様であった。しかし試験問題は昨年より難易度が高かったといえる。当校の学生たちに聞くと,「必修問題は基本的で常識が問われていた。一般問題と状況設定問題は出題傾向が変化し,薬・検査等の割合が増え,主要疾患の出題は少なく,『看護』について問われ,基本の知識を統合させなければ解けないアセスメント形式が多かった。全体としては難しかった」という反応であった。それを裏づけるように,昨年は一般・状況設定問題のボーダーが72.1%と高かったが,今回は66.7%で落ち着き,妥当と考える。
本稿では全体の出題傾向,および一般問題・状況設定問題の看護学分野を見ていき,今後の学習に必要な点について私見を述べたい。
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