Scramble Zone
異文化間共同研究の遂行に向けた成果発信と国際活動の展開―千葉大学21世紀COEプログラムの一環として
三浦 弘恵
1
,
舟島 なをみ
2
1群馬県立県民健康科学大学
2千葉大学看護学部
pp.354-357
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100683
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はじめに
千葉大学看護学部は,21世紀COEプログラムの拠点として,日本文化に根ざした看護学を創出し,世界に発信するための研究活動を続けている。その一環として,筆者らは,2003年11月より,他国の研究者との異文化間共同研究の実現に向け,海外での活動を展開している。筆者らにとって,海外の研究者との共同研究は初めての経験であり,日々,新たな課題に挑戦している。
異文化間共同研究に向けた活動は,共同研究者を探すことから始まった。筆者らは,看護継続教育を通し,千葉大学COEプログラムの成果を普及・還元する役割を担っている。そのため,共同研究者は看護継続教育の専門家である必要があった。国際学会に参加し,海外の研究者一人ひとりに声をかけ続けた結果,南フロリダ大学(以下,USF)看護継続教育部門のGorzka博士と出会うことができた。その後,Gorzka博士とメールの交換や訪問の機会を作るなど,互いに信頼関係を築き,本格的に研究計画が始動するまでに約1年間を要した。
それ以降,米国における専門家会議の開催,USFのIRB(Institutional Review Board)の審査など,数々の難題があった。IRBとは研究審査を目的とした委員会で,筆者らとGorzka博士の共同研究はUSF学内のIRBの審査を受け,一定の基準を満たさなければ実施できないことになる。日米の研究者が互いに協力しながらこれらの難題を克服し,2006年7月,国際学会でようやくパイロットスタディの成果を発表するに至ったのである。
今回は,発表までの経緯と国際学会の開催地カナダにおける活動を報告する。
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