特集 コミュニケーション技術の習得
プロセスレコードを用いた指導法
渡邊 敦子
1
,
佐藤 朝子
1
,
保科 ゆい子
2
,
竹田 理紗
2
,
宮本 真巳
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科精神保健看護学
2東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学専攻
pp.380-390
発行日 2007年5月25日
Published Date 2007/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100660
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対人関係技術としての自己一致
看護基礎教育においては,対人関係能力の育成が臨地実習の重要な目標であることが合意されている。しかし,精神看護学以外の領域では,患者が抱える身体的な問題の解決に向けた計画的なケアを重視せざるを得ないため,学生は患者との対人関係を見つめる機会を得にくい。精神看護学では,患者との援助関係づくりが主要な学習目標となるため,学生と患者の対人関係の成り行きに焦点を当てた指導が重視されており,そのためのツールとしてプロセスレコードが普及している。しかし,プロセスレコードをどのように活用するかについては,必ずしも確立した方法がないため,学生にも教員にもすっきりしない思いが残ることが多い。
そこで東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学専攻(以下,本学)では,2年次からプロセスレコードの背景となる対人関係論を学んだうえで,2年次の基礎看護学実習,3年次の領域別実習に臨めるように配慮し,実習体験をふり返るための看護技術チェックリストにも対人関係に関連する技術項目を加えた1)。
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