看護大学卒業論文 人間関係看護の事例研究
第Ⅱ部 プロセス・レコード(その1)
山田 登美子
1
,
伊賀上 睦美
1
,
谷川 千津江
1
1高知女子大学家政学部衛生看護科
pp.4-14
発行日 1970年9月25日
Published Date 1970/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906369
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A.対象者
1.本人について
T氏。30才男性,頸椎損傷および腎不全。職業は電気工。月収6〜7万。身長155cm,小柄で色は浅黒い。大きな目とよくしゃべる口もとが印象的。アロハシャツとサングラスのお兄さんといった表現がピッタリする。
この患者は,看護婦間では「病院ごろ」といわれていた。「病院ごろ」とは,病院にいつまでもいる厄介者という感じがいかにもするではないか。患者Tは,同室の人の世話をよくやいている。看護婦に対する態度と他の患者に対するこの態度の違いは,いったいどこから来るのだろうか。このあたりに,看護婦の患者Tの人間性への無関心の問題がありそうである。ある患者が「病院ごろ」といわれる状態について考えてみると,次のようなものではないだろうか。
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