特集 新人職員研修で人はどう育っているか
徳島赤十字病院における臨床研修看護師制度
佐藤 紀子
1
,
日浅 芳一
2
,
大林 美貴
2
,
水口 艶子
3
,
賀川 恵美子
2
,
藤田 昌子
2
,
西本 美代
2
,
岡久 幸代
2
,
坂田 司
2
,
横田 紗代
2
1東京女子医科大学看護学部・大学院看護学研究科(看護職生涯発達学)
2徳島赤十字病院
3徳島赤十字病院看護部
pp.98-118
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100608
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豊かな実践力・経験をもつ看護師が教えることの意味
私が徳島赤十字病院の卒後臨床研修制度を知ったのは,2006年8月のことだった。日本看護協会の「都道府県看護協会教育担当者会議」で,徳島赤十字病院の庄野泰乃看護副部長が「先駆的な新人看護師教育への取り組み」と題した実践報告を行い,私がその場に居合わせ,それを聞いたのがきっかけであった。
日頃から,新人看護師の教育については強く関心をもっており,卒後臨床研修制度について,その必要性や実現の可能性に関する議論があることは知っていた。しかし,1年間の研修制度を実現している施設があることは知らずにいたので,大変興味深く庄野さんの話を聞き,少なからず驚かされた。そして,その実際を知りたいと思った。
今回,はからずも取材のチャンスを得,2日間にわたり,多くのことを見聞きした。病院の組織そのものが変革の只中にあること,その一環として卒後臨床研修制度が存在することが理解できた。「人を大切に育てる」という文化を創造している病院との出合いは,私に多くの示唆を与えてくれた。以下にその概要を紹介する。
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