連載 病院めぐり
足利赤十字病院
春日 義生
1
1足利赤十字病院
pp.102
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903521
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栃木県足利市は,日光足尾山塊の山なみが低くなって関東平野に沈み込む境目に位置し,背後に山をひかえ,中央を渡良瀬川が流れる自然に恵まれた風光明媚な街です.日本最古の医学校である足利学校は市の中央に位置し,国宝に指定された古文書を多数所蔵しており,史跡足利氏宅跡など太平記ゆかりの歴史の都として有名です.県庁のある宇都宮市とは山を隔てて最南部に位置するために,県内第2の都市でありながら,よく群馬県内と間違われます.実際,両毛五市と言って佐野市,群馬県太田市,桐生市,館林市とともに5都市が,共通の経済的基盤や交通網をもっています.
足利赤十字病院は,足利市の中で唯一の公的基幹病院として,昭和24年の設立以来今日に至っています.現在の病床数は一般病床数が530床,結核73床,精神67床と第三次救命救急センターをもちます.常勤医師は71名で全職員数は717名を数えます.そのうち産婦人科は,婦人科34床,産科32床で,産婦人科常勤医は5名,認定医が3名,大学からの研修医が2名です.足利市は,人口17万人弱ですが,東京から約百km離れて新幹線が通っていないことや,有力地場産業の衰退などでこの十数年人口の伸びはほとんどなく,最近2,3年ではむしろ自然減となり,老齢化が急速に進行しているのが現状です.その結果,当院の分娩件数は年間500件を前後しています.
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