特集 医療者と患者のパートナーシップ
患者中心の医療を模索して―「患者会」をつなぐ
田中 祐次
1
,
田中 真由美
2
1東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門
2Medical Research Information Center
pp.477-480
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100298
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血液疾患の分野に限るが,全国に存在する患者会を主に3つのグループに分類してみる。1つは病気を中心とした患者会。次は病院を中心とした患者会。3つ目は患者会ではないが,最近広がる個人のホームページやブログに集まる人たち。3つ目も含めると,日本にどのくらいの患者会が存在するのか正確に数えることは不可能である。
病気を中心とした患者会
病気を中心とした患者会としては,フェニックスクラブ1),グループネクサス2),悪性リンパ腫と戦う会3),再生つばさの会4),NPO血液情報広場・つばさ5)などがある。これらの患者会は中心となる数名の人(患者もしくは患者家族)により運営されている。活動内容は,情報公開,情報交換などをインターネットもしくは講演会や会合を開くことで行っている。これらの患者会は,いわば「教科書」のような存在と位置づけられる。病気のこと,治療のこと,保険のこと,カツラのことなどなど,患者や患者家族の必要な情報が溢れている。患者や患者家族の求めに応じて,本当に必要とされる情報が集まっている。
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