特集 医療者と患者のパートナーシップ
私自身を教材として―『笑う顔には福来る』を著して
藤井 輝明
1
1鳥取大学医学部保健学科
pp.481-483
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100299
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私の顔の病気は海綿状血管腫という珍しい病気です。最近になってようやく,人前で語れるようになってきました。私が生きてきたなかで体験したこと,感じたことをこのたび『笑う顔には福来る』(459ページに紹介)として出版しました。この本の中に,看護師でもあった私の母の教えを書きました。容貌障害の患者であった私を抱えながら,力強く私を守り育ててくれた家族の奮闘記ともなりました。今でも「化け物死ね」という内容の電話や手紙,メールは後を絶ちません。容貌障害者にとって,心健やかに暮らせる日はまだまだ遠いといっても過言ではないでしょう。
しかし,私は人間の理性というものを信じたいと思います。21世紀は人権の世紀,環境の世紀といわれますが,一人ひとりを大切にする考え方で,すべての人たちがお互いの容貌容姿の障害に対して,個性として認めあう社会を作らなければならないと切に思います。
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