特集 看護技術教育プログラムの改善―山梨県立看護大学短期大学部の取り組み
統合講義・総合技術演習の取り組み
中谷 千尋
2
,
小林 たつ子
1
,
巴山 玉蓮
1
,
古屋 洋子
1
,
松本 美富士
2
,
武田 洋子
1
,
大久保 ひろ美
3
,
望月 美鶴
1
,
渥美 一恵
1
1山梨県立看護大学短期大学部
2元 山梨県立看護大学短期大学部
3山梨県立大学看護学部
pp.309-316
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100268
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「統合講義」「総合技術演習」の考え方
前稿において述べてきたように,卒業時の看護技術力の低下,経験項目の弱小化傾向に対し,本学でも早急に対応が必要であることを重視し,看護技術教育を3年間の学習期間の中で,他の科目との関連も考え,どの時期に,どのような内容をどのような方法で指導するかの検討をしてきた。その結果,すでに入学し学習が進行している学年に対しては,カリキュラムを大幅に組み替えることは難しいため,他の可能な方法で学習を補強する必要のあることが確認された。そのための試みとして,2004年度から3年次生に対し,臨地実習が始まる直前の4月に「統合講義」「総合技術演習」を持つことにした。
この時期には,講義では基礎分野,専門基礎分野,専門分野ともおおむね終了している。そのため,必要な知識を用い,根拠を伴った技術と倫理的配慮のある態度で看護を実践するための準備状況が整っているといえる。それらを踏まえ,①全学生,全教員が参加して行うことにより技術教育に関する重要性の認識が高まる,②安全性・倫理性の認識が強化できる,③学内でより臨地に近い状況での学びができ,患者に向かう前に実践可能なレベルまで強化する機会がもてる,④その後1年間,各領域の臨地実習期間の中で,その人にあった看護を統合して実践できること,技術の経験項目が増えること,などを期待した。
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