実践報告
専任臨床実習指導者体制を活かした看護技術教育の試み―「看護技術行動形成表」を活用した指導と学習過程
作田 裕美
1
,
坂口 桃子
1
,
櫻田 陽子
2
,
倉重 鏡子
2
,
末重 千里
2
,
宮崎 綾子
2
,
斎藤 美幸
2
,
浦邉 真由美
2
,
大崎 恵美
2
,
辻畑 博子
2
,
花田 千鶴美
2
1滋賀医科大学医学部看護学科
2山口大学医学部附属病院
pp.1114-1119
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100190
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近年,新卒看護師の看護実践能力の低下が指摘され1),看護系大学には,卒業までに習得させておくべき看護技術を精選の上,教育内容・方法を検討することが求められている。看護技術の習得には,臨床実習による指導─学習が不可欠である。一方で,医療への高度科学技術の導入や医療費抑制政策による在院期間短縮など,医療環境の変化によって,臨床看護師は多様な技能を要求され,業務は複雑さを増している。臨床看護学実習は,指導の体制作りにおいて一向に問題解決が果たされないまま,理想と現実の中でジレンマを抱えてきた。
このような状況を打開する方策として,山口大学医学部保健学科(以下,本学)実習施設では,「臨床における看護の質を高めるには,より質の高い看護学生を育成し社会に送り出すことである」との見解から,充実した臨床実習をめざして,2003年度より臨床実習指導者専任(以後,専任指導者)体制を導入した。ここで用いる専任指導者体制とは,1名の指導者が実習の全期間を通し,教官とともに学生全員の指導にあたることをいう2)。
今回,専任指導者体制の利点を活かした臨床実習における看護技術教育の試みとして,「看護技術行動形成表」を用いた技術実習を実施したので報告する。
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