焦点
考える学生を育てる「看護倫理」の授業展開―第132回医学書院看護学セミナーより
中尾 久子
1
1九州大学医学部保健学科臨床看護学講座
pp.1080-1087
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100183
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本稿は,去る8月4日に行われた第132回医学書院看護学セミナーの後半部分をまとめたものである。中尾氏は講演の前半で,倫理的判断をしていく上での基盤となる倫理の原則について解説された。
なぜ考える学生を育てなければいけないか。たとえば,ある学生に,「ベッドの周囲に柵を立てられて身動きできなくなった患者さんがいます。これは,患者さんにとってどうなんでしょうか」と聞きましたら,別に縛られていないので何の問題もないのでは,と答えました。患者がベッドの周囲に柵を立てられていても苦痛を感じているというふうに思わない。柵が患者のこころにどういう影響を与えるのかという想像ができないんですね。
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