特集 ピアの力を信じよう 学生同士で教え合うしくみの活用
“ピア”の力を活かす試み 指導実習を中心に
久保 真知子
1
,
酒田 紀葉子
1
,
北山 敬子
1
1市立小樽病院高等看護学院
pp.364-372
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102693
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はじめに
いつの時代も看護基礎教育は,さまざまな社会の要請に応じて,看護人材の育成に重要な役割を果たしてきた。そのなかでも看護教員や臨地実習指導者という「看護を教える人」の役割は大きい。しかし,看護学生にとって「看護を教える人」は,看護教員や臨地実習指導者だけではない。同じグループの学生や先輩後輩,受け持ち患者からも学んでいく。特に看護師を目指す学生同士が,共通の目的をもった仲間として学び合うことは多くの教育的効果を生み出していると考える。
当校では,統合実習のなかで,3年生が初めて臨地実習に出る1年生と一緒に実習する「指導実習」をはじめ,学院祭,茶話会,地域の祭りなどの行事を通して,他学年の学生同士が交流し合う機会が多くある。そのため,学年の垣根を越えた学生間の結びつきが,他の看護学校より強いと感じている(写真1)。その関係性は卒業後も続き,指導実習でペアだった先輩から卒業式にお祝いの花束が届くこともある(写真2)。
今回,“ピアの力を信じよう”という視点から,改めて当校の指導実習を見直してみたいと考えた。指導実習の紹介,1年生の学び,3年生の学び,卒業生へのインタビューなどを通して,学生同士が学び合い成長していく姿を再確認することができたのでここに報告する。
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