連載 続・なぜ看護政策を学ぶのか?・3
新人看護職者の看護技術習得状況と課題―大卒看護職者の調査研究から
大室 律子
1
,
佐藤 禮子
2
,
太田 節子
3
,
佐藤 まゆみ
1
,
根本 敬子
1
,
濱野 孝子
4
,
門川 由紀江
4
1千葉大学看護学部
2放送大学
3滋賀医科大学
4千葉大学医学部附属病院
pp.868-871
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100144
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今回は,看護政策上の課題の一つである新人看護職者の看護技術習得状況について調査研究したので,報告する。
看護基礎教育は,国の施策により高等教育化が進行し,現在看護系大学は127校整備されている。そして大卒看護職者に対しては,卒業直後からきわめて高い看護実践能力が期待されている。それらを踏まえ,政策的観点から,文部科学省は看護実践能力の育成を主眼とする2つの報告書「大学における看護実践能力の育成の充実に向けて」(2002年),「看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標」(2004年)をまとめた。また,厚生労働省は「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会」(2003年)の報告書をまとめた。その中で,「卒業直後の看護師の技術能力と臨床現場が期待している能力との乖離が大きくなり,安全で適切な看護・医療の提供への影響も懸念されてきている」と指摘した。この意味は,現場の現任教育が問題なのか,それとも教育機関の問題かといったことが問われていると思われる。
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