連載 エイズと共に生きる人々と看護職者たち in タイ[3]
看護職者たちの想い
近藤 麻理
1
1兵庫県立大学看護学研究科博士後期課程
pp.969-973
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100578
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増え続ける看護職者の業務
タイの地域で働く看護職者たちは,「バーンノーク(僻地や田舎)看護師」などと陰口をたたかれることもあり,その地位は責任の重さに反して低いようです。ある時,「日本の看護師は,タイの看護師のように処方箋を書いたりできないのでしょう?」と聞かれました。日本の医療従事者の訪問が多いため,何度もその話を日本人医師から聞いたようです。
「田舎で働くと責任が重い。日本の看護師は責任が軽くて良いわねえ。タイでも,大きな病院やバンコクの病院なら日本と同じように働くことができるのだけれど,自分たちは統計や報告書の作成が多くて,患者とじっくり話す時間すら作れなくなった」と,今日の記録をコンピュータに打ち込みながら,大きなため息をついていました。
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