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はじめに
認定看護師(CEN : Certified Expert Nurse)制度は,1995年7月に発足した。その翌年である1996年の10月に日本看護協会看護教育研究センター看護研修学校(認定看護師教育専門課程)においてWOC(創傷,オストミー,失禁)看護と救急看護領域の教育が開始され,1997年7月に初のCENが誕生した。それ以来,その数は漸増し,2005年7月25日までのCEN登録者数は1741名となった(図1)。来年度以降は,専門領域と教育機関の増加に伴い,毎年500名以上のCENが誕生することになり,その総数の激増が見込まれる。
このような変化の背景には,全国の病院,地域の現場で活動しているCENが水準の高い臨床看護実践を提供しながら看護実践者の役割モデルとなっていることや,一部の専門領域においては診療報酬との関連性も相まって,看護管理者や一般看護師のCENに対する認知度,関心度が高くなってきていることが考えられる。また,独立法人となった国立病院に医療の質の向上の観点から,専門性を評価しようと専門・認定看護師に『専門看護手当』が支給されるという新たな動きもみられる。一方,日本看護協会が創りあげたCEN制度が今年で10年を迎えたものの,その後どのような趨勢を辿ってゆくかについては,明確に予測することは難しい面があることも否めない。
しかし,いずれにせよ認定看護師制度が存続する以上,教育機関は,看護界の変化と要請に相応した教育体制と質を担保しつつ,看護実践に変化のエージェントとなるCENを養成することが求められている。
本稿では,日本看護協会認定看護師制度とそれを受けてスタートしたCEN教育の現状と今後について概説する。
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