特集2 5日間の集中ゼミナールで学ぶ看護倫理
5日間の集中ゼミで書き上げた「看護倫理II・III」の学生レポート
[看護倫理III] 「慣れ」により学生の意識が変化した事例の分析
井手 麻実
1
,
小野 絢子
1
,
加藤 めぐみ
1
,
笹原 綾
1
,
濱内 明日香
1
,
藤森 充
1
1相模原病院附属看護学校
pp.671-673
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100109
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なぜ「慣れ」が生じたのか
精神科実習で,はじめのうちはほかの実習と同じように患者の人権を尊重した関わりをしなくてはならないと意識していた。しかし,病棟スタッフの患者への対応に疑問を感じることがあった時に,私たちは患者にどのように接してよいか迷い,スタッフの対応を参考にするうちに,2週目あたりから患者への対応に慣れ,疑問を感じなくなっていた。
2週目の終わりにカンファレンスを行った時,指導者から「そもそもこの行動は患者の尊厳を考慮した行動ではないですよね」と指摘を受け,はっとした。患者との関わりについて,患者の尊厳を大切にしようと強く意識していたのに,患者の年齢を考慮した対応ができていなかったことに気がついた。
患者の人権を尊重した関わりをしなくてはならないと意識して学習に臨んだにもかかわらず,なぜ3週間弱という短い期間で,患者の人権への配慮が薄れた対応に疑問を感じなくなってしまったのかを分析・考察した。
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