特集1 看護学生の論文―優秀賞・入選論文の発表
看護学生の論文11編
強い不安と身体的苦痛のある終末期患者の看護―そばにいることの意味
奥野 紗織
1
1兵庫県立厚生専門学院看護学科
pp.628-630
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100097
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はじめに
終末期にある患者は,身体的な苦痛の緩和と同時に精神的な支えを必要としている。できるだけ安心感を持ってもらい,死に対する不安や恐怖を緩和するために,患者のそばにいて時間を共有することが大切である。また,死を迎えるときに,自分の生涯を意味のあるものとしてとらえ,生を全うするためには,どのような環境にあってもその人らしい生活を取り入れることが必要である。
今回の実習で,会話のできないA氏のそばにいることでA氏らしさを知り,援助にもそれを取り入れた。A氏との関わりをとおして,「そばにいること」の意味,またその人らしく過ごせることがターミナルケアにとって重要であることを学べたので報告する。
なお,ここで取り上げた事例において個人が特定されないように変化を加えた。また,実習病院では,患者さんの本研究への同意を得ている。
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