特集 地域に育てられる
地域での信頼関係の構築をめざして―三重県立看護大学「地域交流センター」の活動から生まれた成長モデル
川野 雅資
1
,
河原 宣子
2
,
伊藤 千代子
2
,
若林 たけ子
2
,
永見 桂子
2
,
大谷 恵
2
,
村端 真由美
2
1カワノメンタルヘルス研究所
2三重県立看護大学看護学部
pp.195-199
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100019
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はじめに
看護教育においては臨地での実習が大きな教育的役割を果たしている。臨地実習を効果的に行うには,教員の臨床能力と実習施設との協力が鍵になる。教員あるいは教育機関と実習指導者や看護職者あるいは施設と良好な関係が形成されていると,学生は,安心して臨地で豊かな学習を体験することができる。臨地実習では,学生は様々なストレスにさらされる。そのような学習の場が安心でき,安全な環境であれば,学生はのびのびと学び,成長し,患者や家族にたいして,そして地域でケアすることにワクワクするものである。
三重県立看護大学(以下,本学)は,人材の育成と県内看護学教育・研究の中核機関,地域社会への貢献を使命として,平成9年4月に開学した。開学と同時に附属研究機関である地域交流研究センター(以下,センター)を設置し,教員はできる限り地域の中で看護実践を行い,研究活動を実施している。教員の活動の場は学生の実習受け入れ先と重なる場合が多く,教育と臨地の信頼関係を構築する一助にもなってきたと考えている。
本稿では,三重県内の現任看護職者のキャリアアップを目指したセンター事業における活動内容の紹介と,その活動が本学学部教育の臨地実習に良い影響を生み出しているその実態を報告し,センターの活動から生まれた成長モデルを示す。
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