あんてな
QOLからQOAへ;英国における住宅改造の動き
野村 みどり
1
1東京都立医療技術短期大学
pp.488
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103791
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英国における住宅改造House Adaptationは,住環境によるハンディキャップを緩和するための治療的関わりと捉えられており,そのハンディキャップには,独り暮らしの孤独や不安,福祉施設での自律的でない生活,ストレスフルな病院での透析治療も含まれるなどきわめて広範なものであり,参考になる1).
筆者は,1992年1~2月,北ロンドン工科大学を拠点に,英国における住宅改造に関する調査研究を実施した.同大学のWillcocks D教授たちは,1980年代初期までは,QOLに注目して老人ホームの研究を行なってきたが,現在では,QOA(Quality of Assurance),すなわち,住宅の質に注目した研究を展開している.また,自治体は,民間住宅や公的住宅の両者を対象に,管理運営部門と検査部門を設けるようになってきていると言われる.QOLという曖昧になりがちな概念から,QOAという具体的内容に基づく住宅整備の動きが始まっている.
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