特集 患者にとって家族とは
ハンセン病患者の場合を考える
成田 稔
1
1国立療養所多磨全生園
pp.504-508
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903591
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かつてのわが国のハンセン病対策は,基本的には絶対隔離(すべての患者の終生隔離)を強行したから,患者はいやもおうもなく家族から引き離された.それに当時のハンセン病に対する社会の偏見は,日本人には最も厳しい制裁でもある“排斥(村八分)”を,家族に加えることすら容赦しなかったから,後難を恐れて自ら家族を捨てた患者も多くいた.
本文では,家族からの隔離を強いた,わが国のハンセン病対策の歴史をたどりながら,患者をめぐる家族の意味を,別な視点から探ってみたい.
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