研究
Prader-Willi症候群の子どもをもった親子への支援に関する研究—肥満予防における「親子の集い」の有効性
武内 八千代
1
,
織田 文恵
1
,
加藤 泉
1
,
高松 俊江
1
,
早川 光江
1
,
上田 昭
1
,
長尾 秀夫
2
,
大谷 美代子
3
,
鷹尾 雅裕
4
1愛媛県宇和島中央保健所
2愛媛大学教育学部障害児病理
3愛媛県宇和保健所
4南予児童相談所
pp.809-814
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902800
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
Prader-Willi症候群(以下,PWS)の5例を当保健所において同時期に把握し,その親が肥満に配慮した育児や将来の合併症の予防,学校生活などについて悩んでいた。そこで同じ病気をもつ親子の交流や情報交換の場として,平成2年12月から日本で初めてPWSの「親子の集い」を実施した。参加者は6例の親子で,その内容は親と医療スタッフや保育園のスタッフとの話し合い,親同士の話し合いなどの形式で,テーマは親の希望を聞きながら設定した。
その結果,まだ肥満が著しくない時期に参加した事例では肥満を予防できたが,すでに肥満が進んでいた事例では肥満を減少させることはできず,PWSの早期診断による早期からの生活指導が重要であることが明らかとなった。そして,肥満対策などの実践のために「親子の集い」は親の精神的安定,情報交換の場として有効であった。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.