調査報告
日常生活自立度の変化からみた訪問指導のあり方に関する調査—本人条件とケア内容・ケア方法に焦点をあてて
梶井 文子
1
,
島内 節
2
,
國光 登志子
3
,
松本 光子
4
,
小林 万理
4
,
安斎 ひとみ
5
,
早川 敦子
6
1聖路加看護大学老年看護学
2東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
3立正大学社会福祉学部
4板橋区おとしより保健福祉センター
5福島県立医科大学看護学部
6日本看護協会看護教育・研究センター
pp.414-419
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902618
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■要旨
介護保険制度によって,老人保健法による訪問指導対象者は,よりいっそう軽い虚弱者,基本的な日常生活問題を支援する対象者へとシフトした。そこで訪問指導事業の効果を具体的に明確にするために,訪問指導事業対象者の日常生活自立度の変化を明らかにし,日常生活自立度の変化に影響すると考えられる本人条件,把握時点から訪問ケア開始までの期間,訪問指導内容などのケア効果要因を明らかにすることを本研究の隠的とした。
その結果,訪問指導事業対象者213名のうち184名(86.4%)の有効回答を得た。日常生活自立度の改善群は42名(22.8%),維持群は124名(67.4%),低下群は18名(9.8%)であった。改善群の訪問指導のあり方として,タイムリーな訪問対応,訪問早期の集中的な社会資源導入,ADL・IADLのリハビリテーションに関する直接サービス,散歩やデイケアやデイサービスの社会との接触を促す支援,日常生活自立支援用具に関する支援など明らかになった。
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