調査報告
特定保健指導における保健指導効果とその保健指導内容との検討―動機づけ保健指導に焦点をあてて
早川 泰子
1
,
山口 仁美
1
,
岩村 洋子
1
,
望月 宗一郎
2
,
村松 照美
2
1石和温泉病院クアハウス石和
2山梨県立大学看護学部
pp.42-48
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102324
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要旨
A施設で特定保健指導開始時から取り組んだ2年間の動機づけ支援の保健指導の効果の有無を評価し,その保健指導の内容との関連を明らかにすることを目的とした。対象者は初回動機づけ支援の特定保健指導実施者139名で,保健指導評価結果は,生活習慣改善の有無により「改善群」「非改善群」に分類し,さらに「改善群」は体重変化別で3つに分類した。保健指導内容では,行動計画を『飲食』『運動』の比重により5種類に分類,さらに行動計画の具体性をみるために,「何を」「いつ」「どのくらい」「頻度」の4カテゴリーの記載の有無を把握し,それらの関連をカイ2乗検定で分析した。
調査の結果,「改善群」は88名(63.3%)で,減量は「改善群」のみにみられた。改善内容は『飲食』が多く,減量幅が大きいほど飲食と運動半々で実践する割合が有意に増加していた。「改善群」に,行動計画の『運動』が多かった。「改善群」のうち,3kg以上減量は4カテゴリーとも高率に提示されており,「どのくらい」の量的提示に有意差を認めた。このことから,動機づけ支援の特定保健指導効果を得るには,『飲食』『運動』の計画をよく取り入れること,また,セルフモニタリングできる,具体的な行動計画の提示が重要であることが明らかになった。
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