調査報告
在宅慢性呼吸不全患者の呼吸器教室に対する評価
太田 克美
1
,
長谷 正枝
2
,
白井 英子
3
1北海道釧路保健所企画総務課,元北海道室蘭保健所保健指導課
2元北海道室蘭保健所保健指導課
3天使女子短期大学専攻科
pp.420-425
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902619
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■要旨
室蘭保健所では,平成3年度から慢性呼吸不全患者を対象に呼吸器教室を実施してきた。8年が経過し,実際に参加者にとって呼吸器教室が有効であったのか呼吸器教室の目的を振り返り,今後の活動方針を検討するために本研究に取り組んだ。
呼吸器教室の目的は,①疾病および症状の悪化予防の理解を深める,②呼吸器リハビリテーションを習得する,③ADLの拡大をはかる,④生活の質(QOL)の向上をはかる,である。これらの目的について継続者と中断者に区分し事例検討を行った。過去5年闇をさかのぼり,継続者は5年間継続している参加者,中断者は途中から参加しなくなった者と1年間のみの参加者に区分した。また,各区分の対象者はHOT患者と非HOT患者を1名ずつ選出した。研究方法は,家庭訪問による面接調査である。家庭訪問は6事例に各2回実施し,病状と悪化予防に関する項目・IADL・QOL・教室評価に関する事項についての聞き取りと呼吸法の観察を行った。その結果,呼吸器リハビリテーションは,非HOT患者よりもHOT患者のほうが習得されている傾向が見られた。また,呼吸器教室は継続者および中断者にとって呼吸器リハビリテーションを習得または確認する場としてとらえられていた。
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