特集 母子保健活動で「心の問題」を予防する
周産期の母子ケアと「心の問題」
橋本 洋子
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院周産期センター
pp.942-946
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902292
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「心」の芽生え
一昔前,生後2〜3か月までの赤ちゃんは目も見えないし耳も聞こえないと,なかば常識のように考えられていた。分離個体化理論で名高いMahler MSは,生後の2か月を「正常な自閉段階」と名づけ,「新生児は外部刺激に対する生得的な無反応性を示し,半睡眠・半覚醒状態で1日を過ごす」と述べている1)。
しかし,その後の乳幼児研究のめざましい進歩によって,赤ちゃんは出産直後から基本的な感覚能力をすべて有し,能動的に環境に働きかける力を持っていることが明らかにされてきた。
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