特集 母子保健活動で「心の問題」を予防する
思春期の「心の問題」と母子臨床
神庭 靖子
1
1山梨県立精神保健福祉センター
pp.918-922
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902288
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思春期の精神科臨床の場には,不登校,いじめ,非行,摂食障害など,さまざまな問題を抱えた子どもとその親が訪れるが,「もっと早く来てくれればよかったのに」と思うケースがけっこうある。それは,親子関係の歪みや家族内の葛藤を抱えるケースである。
思春期になって顕在化する,こうした家族や親子関係の問題を背景にしたケースについては,問題が顕在化するずっと以前に—すなわち,それは妊娠時だったり,乳幼児期だったりするのだが—親子関係の歪みに気づき,教育され,修正する機会が持てると,問題が深刻化せずにすんだり,軽減化したりするのではないかと考えている。
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