特集 救急搬送とケア
母子救急ケアの動向—これからの周産期医療システム
多田 裕
1
1東邦大学医学部新生児学科
pp.97-101
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901183
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わが国の母子医療は世界でも最も優れた成績をあげ,一般には大きな問題がないようにみなされている。しかし,地域の周産期医療は,単に死亡率のみで評価されるべきではなく,すべての妊婦や胎児・新生児が,それぞれに必要な医療を適切に受けられ,分娩後や出生後も必要な管理が継続されるか否かで評価されるべきである。
このような立場から見ると,周産期医療には2つの面,すなわち大部分の合併症のない正常な妊娠・分娩から異常を生じさせないためにどのようなケアを行うべきかと,万一異常が生じた場合,死亡や後遺症発生のような重大な結果にならないように対処するにはどうすれば良いかの,2つの重大な役割がある。
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