特集 保健婦活動論文集
調査報告
在宅ケアを可能にする住まいのあり方に対する一考察(2)—ADL向上をめざした住宅改造に関する事例検討
深江 久代
1
,
三輪 眞知子
2
,
岡村 昌子
3
,
杉山 郁子
4
,
築地 多津子
5
1静岡県立大学短期大学部
2静岡県総合健康センター
3静岡市高齢者福祉課
4静岡県健康福祉部健康増進課
5静岡市中央保健センター
pp.227-235
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901948
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要約
静岡市住宅で平成6年度に静岡県重度身体障害住宅改造費の助成を受けた者の事例検討から,住宅改造のためのアセスメント項目および,アセスメント表の試案,試案を有効活用するための留意点を検討した。アセスメント項目の中心は本人のADLや生活行動範囲であり,本人の自立度の向上や介護負担の軽減をめざし,住宅改造により特に自立に関係すると思われる移動,排泄,入浴について必要な1つひとつの動作を確認しながら,介護状況,住宅状況をあわせてアセスメントする。また,本人の生活意欲や介護者の患者に対する受け止め,家族関係などを把握し,住宅改造をすることで本人や家族の1日あるいは1週間の過ごし方などの変化の有無をアセスメントすることが必要である。さらに,退院時の医師やPT,OTなどの専門家による身体機能の評価,予後,住宅改造の助言内容,本人・家族の住宅改造の知識・意向についても把握する。
保健婦が住宅改造のアセスメント表を有効活用するための留意点としては,①本人・家族とともにアセスメントする。②経過を追って再評価する。③退院時の医師やPT,OTによる機能評価や予後をぷまえて行うの3点である。地域で効果的な住窄改造を行うために,今後,病院の住宅改造に関する指導体制や指導内容,地域との連携に対する方針などを明らかにしていくことが必要である。
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