調査報告
居宅介護支援専門員の住宅改修への取り組み
深江 久代
1
,
杉山 郁子
2
,
三輪 眞知子
3
,
岡村 昌子
4
,
熊谷 範夫
5
1静岡県立大学短期大学部看護学科
2静岡県立東部看護専門学校
3滋賀医科大学医学部看護学科
4静岡市東部保健福祉センター
5静岡リハビリテーション病院リハビリテーション科
pp.968-974
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100180
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■要旨
2000年4月に介護保険制度が開始され,住宅改修も介護保険制度や介護予防事業に位置付けられ,居宅介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」とする)の果たす役割が重要となってきた。
そこでケアマネジャーの住宅改修への関わり方や問題を把握する必要性を感じ,郵送による質問紙調査を実施した。静岡県中部の居宅介護支援事業所120か所のうち,91か所の147人から回答が得られた。
ケアマネジャーの93.2%が家族から住宅改修について相談を受け,84.9%が理由書の作成を行っており,その回答内容はいずれも「手すりの設置」が一番多かった。住宅改修が必要な事例について他職種から依頼を受けた者は25.5%と少なく,住宅改修支援上の困難点としては,ケアマネジャー自身の知識不足,他職種との連絡・調整が多かった。また,研修希望内容は,疾患や身体の状態に応じた住宅改修の実際例,経費と留意点が多かった。
以上から介護保険制度を活用した住宅改修支援のための課題として,実施されている住宅改修内容の検討,住宅改修を視野に入れ,要介護者のQOL向上をめざした支援ができるケアマネジャーの質の向上,病院スタッフなど関係職種との連携の推進と住宅改修支援システムの構築などが考えられた。
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