調査報告
在宅ケアを可能にする住まいの在り方に対する一考察[1]
三輪 眞知子
1
,
岡村 昌子
2
,
深江 久代
3
,
杉山 郁子
4
1静岡県総合健康センター
2静岡市高齢者福祉課
3静岡県立大学短期大学部
4静岡県健康福祉部健康増進課
pp.564-569
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901603
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はじめに
高齢社会が進む中で在宅ケアの重要性がいわれて久しい。また,障害者のバリアフリーとも相重なって,高齢者・障害者の住宅改善への関心が高まっている。保健関係者においても高齢者・障害者が在宅で地域に住みつづける条件の1つとして住宅問題を重視するようになり,行政においても住宅改造費の助成や住宅整備のための資金貸付け事業が行われている。
しかし,当県においては住宅改造に関わる関係機関が連携をとり,サービスが県民に提供されているとは言い難い。さらに保健婦が訪問活動を通して見ると,高齢者や障害者が日常生活の自立や介護負担軽減に向けて住宅改造をしている事例は少ない。また,住宅改造がされていても,麻痺側に手すりがついていたり,その高さが不適当であり効果的に活用されていない事例に出会うことがある。
このような中で私たちは寝たきり状態になる人を減らすことが可能となる住宅改造のあり方を検討する必要性を感じた。今回は住宅改造に関する制度の実際や事例を通して,地域の中でどのような住宅改造システムが望ましいか検討を行ったので報告する。
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